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冬至/
お雑煮で体の中から温まる

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

運動や食事で体の免疫力アップ!

 冬至の時期は、寒さもピークになり、外に出るのが億劫になります。その結果、運動時間が減って足腰が弱くなり、疲れやすくなるとともに、体調を崩しやすくなります。運動時間の低下は免疫力の低下につながり、感染症などの様々な病気を引き起こす可能性があります。
 宇宙飛行士が宇宙に滞在すると、重力がないので骨がもろくなることが知られていますが、それと同様に寝てばかりの生活では骨がもろくなると考えられています。骨の免疫細胞を産生するなどの役割が低下すると、様々な感染症にかかりやすくなります。そのため、この時期は免疫力を上げるような対策を行いましょう。

 この季節の旬はカボチャです。カボチャは身体を温める作用があり、ビタミン・ミネラルが豊富な食べ物です。収穫の時期は夏なので身体を冷やす食材と思われがちですが、カボチャはビタミンやミネラルが豊富であるため、免疫力を高め、風邪の予防にも効果的です。
 また、黒豆も旬を迎えます。黒豆はおせち料理にも含まれますが、精をつけるとともに、造血作用もあります。また、大豆イソフラボンは、ホルモンの源となり、身体のバランスを整えてくれる食材です。

お雑煮から分かる食文化

 なお、この季節を代表する料理はお雑煮です。お雑煮は旧年の収穫や一年を無事に過ごせたことに感謝し、新年の豊作や家内安全を祈って作られてきたものです。
 一般的に、東日本では四角いお餅、しょうゆ味の透き通ったすまし汁に対して、関西では丸いお餅で白みそ仕立てで具だくさんなお雑煮が多いようです。同じお雑煮でも地域により食べ方が異なるのは、地域の文化的な背景や食材の違いによるものであり、地域の食文化を知るとても貴重な機会です。ぜひ、お住まいの地域に特徴的なお雑煮を調べてみましょう。

 冬至は冬の折り返しの時期です。お正月料理の一つ一つには意味があるため、お節料理を食べながら1年の始まりに心と身体を整えるようにしましょう。