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寒露/
実りの季節、旬の食材で冬準備

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

栗や柿でストレス軽減

 寒露は10月8日~10月22日の時期で、露が冷たく感じる時期を指します。空気が澄み、夜空にさえざえと月が明るむとともに、秋の夜長に虫の声が大きく響きわたるのを聞くとそろそろ秋の終わりを感じます。

 この時期は実りの季節でもあることから、今までの成果がようやく実を結び、周りからも注目されることで、何事にも充実感を感じます。一種の高揚感や幸福感を感じ、とても気分が良い状態です。そのため、何事にもやる気がみなぎるため、冬に向けて心も身体も鍛え、冬の季節の準備を整えましょう。
 なお、この時期は活動的でもあるため、エネルギー消費も多く、食欲が増進しがちです。食べすぎは様々な病気の引き金になることから、身体に良い旬の食材を取るようにしましょう。

 まず、この季節の旬は栗や柿です。栗はエネルギー源となる炭水化物が豊富であるために、脳を活性化してくれます。またビタミンCが豊富で、ストレスの軽減効果があるとともに、マンガンや銅が多いため、骨を健康に保ち、貧血予防や健康を維持するにも効果的です。
 一方、柿は炎症を抑えてくれる作用があるため、風邪や胃腸炎の予防に効果的です。また、鎮静効果もあるためリラクゼーション効果があり、収斂作用があるために皮膚や粘膜を強めてくれます。

銀杏で血圧の低下やむくみの改善

 この時期は紅葉が始まる時期で、イチョウは秋らしさを演出しています。イチョウの木の実である銀杏は、葉が黄色く色づくこの時期が旬であると言われています。銀杏は脂質が少なく、ビタミンやミネラルが豊富です。銀杏に含まれるβカロテンやビタミンCは抗酸化ビタミンと呼ばれ、活性酸素の働きを抑制させる作用があると共に、銀杏にはカリウムが多く含まれるため、塩分を排出し、血圧の低下やむくみの改善に役立ちます。

 このように、寒露は活発に動く分だけ良質な栄養素が必要ですが、季節の変わり目ということもあり、心と身体にもストレスが多く、免疫力が下がったり、また寒さに対応しようと血圧が高くなりやすいものです。その意味で、栄養価も高く、その時期に必要な栄養素を取り入れられる旬の野菜を積極的に摂取することをお勧めします。