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立夏/
活発になるからだに力を

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

たけのこ、あさりで、めぐりを整える

夏の始まりにあたる立夏には、紫外線が強まってきます。
もともと肌の弱い人はとくに、肌トラブルにお気をつけください。乳液や保湿剤などを活用して、いつもより肌の保湿を心がけるとよいでしょう。

端午の節句に入る菖蒲湯(しょうぶゆ)も、そうした保湿ケアにつながります。また、草木に新芽が芽吹くように、体内も活発に動き始めるこの時期は、身体のバランスが乱れやすいとき。とくに、成長や若返りに深く関わる成分は、就寝から2時間ほどで身体の中をめぐり始め、夜中の3時ごろにピークを迎えるとか。遅くとも12時までには床に就くなど、夜ふかしを控えることで、身体のめぐりを良くしましょう。

そんな季節に旬を迎える食べものといえば、たけのことあさりです。たけのこは、炊き込みご飯や若筍煮、お吸い物、掘りたてならお刺身にもできるなど、多彩に楽しめる食材。食物繊維が豊富で、生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。あさりの方も、お吸い物から酒蒸し、パスタまで、和洋を問わずさまざまなメニューに活躍。鉄分やミネラルが豊富で、貧血が気になる方にもおすすめです。

赤色の食材やもち米を味方に

また、立夏の頃に活用していただきたいのが、赤色の食材です。
たとえば畑のルビーとも呼ばれるクコの実は、栄養価が高く、元気のもとになるとされています。また、体を冷やしてくれるトマトも、夏が旬。これらの赤色を生みだすリコピンには、ベータカロチンの約2倍もの抗酸化力があるとされ、シミやそばかす、しわといった肌のトラブル対策にも頼もしい味方となってくれそうです。

ちなみに、この季節らしい味覚として知られるのが、柏餅や「ちまき」です。どちらも端午の節句に供えられるもので、柏の方は、新芽が育つまで古い葉が落ちないことから「子孫繁栄」、ちまきの方には「難を避ける」という緑起かつぎが込められています。どちらも主な原料は「もち米」。もち米に含まれる食物繊維は、お通じや腸内環境、コレステロール値が気になる方にうれしい成分です。 さらにビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、カリウム、マグネシウムといった栄養素も豊富。

これから訪れる厳しい夏をのりこえるためにも、お子さまはもちろん大人もいっしょに、健康への願いを込めていただきたいものです。