Yojo Column
YOJO知恵袋

すだちでからだの内から元気に
ようやく暑さも落ち着きをみせ、朝晩が過ごしやすくなる処暑のころ。
こうした季節の変わり目には、自律神経や免疫系の不調が気になりがちです。とくにアレルギーなどにお悩みの方は、体調管理にじゅうぶん配慮したいもの。ちなみに近年、そんなアレルギーとの関わりで注目されているのが、私たちのお腹ではたらく腸内細菌です。
腸内細菌は、日々の食事でとる栄養の消化や吸収に大きな役割を果たしています。そのはたらきが乱れると、体力や免疫力の低下につながる可能性も。この時期はしっかりと腸内環境を整えて、アレルギーなどに負けないからだをつくりましょう。
すだちは、そんな処暑にうれしい旬の食材です。疲労の回復や食欲アップにつながるというクエン酸、免疫力にはたらくビタミンCなどを豊富に含み、季節の変わり目にたまりがちな疲れをいやしたり、食欲や免疫力を高めたりすることが期待されます。さらにこの時期、積極的に摂りたいのが、辛味成分のある食べ物。とくに辛味と甘みをあわせ持つ大根は、気のめぐりにはたらくとされるほか、消化酵素であるジアスターゼ、ビタミンCなどの成分も豊富。お通じや口内炎、二日酔いが気になるときにおすすめです。そしてもうひとつ、腸内環境を整えるために摂りたい食材が、びわ。消化や吸収の助けになるほか、痛みや炎症を抑えるといった、多様なはたらきが期待されています。
ひんやりつるり、くずきりで夏惜しむ
秋を迎える一方で、去りゆく夏を名残り惜しむ。そんな処暑の甘味にぴったりなのが、くずきりです。
くずきりの原料は、葛という植物。その粉を水に溶かして加熱し、冷やし固めたものを細切りにしていただきます。昔から民間薬として重宝されてきた葛には、筋肉の緊張をほぐしたり、ストレスをやわらげたり、お肌やのどの乾燥を防ぐといったはたらきが知られています。
黒蜜をかけていただけば、つるりと涼やかに夏の終わりを彩る甘味に。サラダ風に仕立てたり、寒くなれば鍋に入れたり、お料理の一品としても多彩に活用できます。「食べる健康薬」として、ぜひお好みのかたちで召し上がってください。
日々の食事や甘味を楽しみながら、周囲の変化に対応できるからだをつくることが、この時期をすこやかにのりきるための大切なポイントです。
Weekly Popular Articles