Yojo Column

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大雪/
寒さが深まり、体の内側から温める

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

寒い冬だからこそ、旬の食材で体をサポート

 冬の深まりを感じる大雪(たいせつ)は、生き物が冬眠に入る時期でもあります。身体は生命維持のために必要な部分にエネルギーを集中させているため、脳の働きがボーっと鈍くなりやすいのもこの時期の特徴です。身体を温める食材を取り入れて内臓の機能を高めつつ、適度な運動でエネルギーを身体全体に巡らすことで、脳の循環も良くしましょう。

 この季節の旬は牡蠣です。牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれ栄養満点です。精力をつけ、不眠を改善し、解毒作用や神経の強化に効果があるとされています。特に牡蠣は亜鉛が豊富です。亜鉛の不足は味覚障害の原因の一つなので、年齢とともに低下しやすい味覚の維持にも効果的です。

 また、この季節は「鮭魚群がる」という慣用句があるように、鮭が産卵のために川に戻ってきます。そのため、この時期の鮭は、卵のために栄養や体脂肪が使われているので、脂のりが控えめでさっぱりとした味わいなのが特徴です。塩漬けにした新巻鮭はお歳暮の定番であり、様々な料理だけでなく、おにぎりの具やお弁当のおかずとしても重宝されます。

 きんかんも季節の旬の味覚です。小さくて可愛らしい見た目と、甘みとほのかな苦みが特徴で、ビタミンCが豊富に含まれているため、風邪予防の民間薬として昔から重宝されています。きんかんをデザートとして食べても良し、煮詰めてジャムにしたり、鶏肉などと一緒に焚いたりしても良しと、その活用法は様々です。抗酸化作用が強く、アンチエイジングや免疫力向上も期待できるため、是非ご賞味ください。

 内臓機能が低下すると、腸内免疫が低下して風邪を引きやすくなります。旬の食材を積極的に摂ることで、大雪の節気を乗り越えましょう。